2020-02-14
関東地方在住の40代の男性患者様は、当クリニックに来院される9ヵ月前に、円形脱毛症を再発しました。皮膚科を受診すると、円形脱毛症の治療に、脱毛する抗ヒスタミン剤であるエピナスチンを処方され、円形脱毛症は悪化しました。困り果てて、当クリニックを受診され、カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチンで、IGF-1 を増やす治療を開始すると、傷んだ毛が大量に抜けて、新しい毛に生え変わる、毛の生え変わりを経て、白い産毛が生えてきました。多くの場合、白い産毛が増え、その後に、黒い産毛が生えてくるのですが、この患者様は、白い産毛も、抜けてしまいました。脱毛する薬も飲んでいなかったので、なぜ、悪化したか、その理由がわかりませんでしたが、体温を測ると、初診時、36.7℃と正常であったのですが、悪化した治療8ヵ月目には、なんと35.8℃と低体温になっていました。お話を聞くと、ちょうど、当クリニックを受診したくらいに、仕事の内容が変わり、ほとんど動くことがない生活になり、なんと、体重が12kg増えたそうです。体温は、筋肉で維持されるので、おそらく、運動量が減って、筋肉量が、著明に減って、低体温になり、これが、円形脱毛症の悪化につながったと考えられます。低体温に気付かれていなかった、ご本人も驚かれていました。早速、筋肉を増やすように、生活を変えることになりました。過激なダイエットでも、大幅なカロリーで制限で、低体温になり、脱毛することがあります。低体温は、脱毛のみならず、免疫力を下げるので、いろいろな病気にかかりやすくなります。脱毛症の患者さんでは、低体温の方が多いのも事実です。運動や筋トレで、筋肉を増やして、体温を36.6℃以上に保ちましょう。